コロナウイルス検査陽性でもコロナウイルス陽性ではない。どうする?

インフルエンザA型ウイルスに対して鼻腔ぬぐい液をウイルス分離培養した結果を真の感染とした場合、通常使用されている簡易キットでは

陽性例106例中簡易キットでは100例が陽性→感受性は94%

陰性例196例中簡易キットでは187例が陰性→特異度は95%

という数字がある

 

臨床的に8割はインフルエンザだなと思った時にこの簡易キットを用いて検査をする状況で、 10人中8人がインフルエンザの集団にこの検査をすると考えて良いのでは。

ここで陽性と出るのは

8X0.94+2X0.05=7.5+0.1=7.6人

つまり検査結果と実態はほぼ一致する

 

それでは10人中1人がインフルエンザの場合は

1X0.94+9X0.05=0.94+0.45=1.39人

それほど極端な乖離ではない

 

先ほど私が検査した受診者では(臨床的にはまずインフルエンザの可能性はないのに、ついやってしまった—愚かしい行為です)、おそらく確率は100分の1以下?

1X0.94+99X0.05=0.94+4.95=5.89

検査が陽性に出ても本当にインフルエンザの確率は6分の1程度

陽性という結果が出なくてよかった(20分後に出た結果は陰性でした)

 

日本に1000人のコロナウイルス感染者がいて、日本人全員に同じ感度・特異度の検査を行なった場合

1000X0.94+100000000X0.05→1X0.94+100000X0.05=0.94+5000=5000.94

検査結果が陽性の場合、コロナウイルスに感染しているのは5000人に1人

 

感度と特異度を99%とすると

1X0.99+100000X0.01=0.99+1000=1000.99

検査結果が陽性の場合、コロナウイルスに感染しているのは1000人に1人

 

感度と特異度を99.9%とすると

1X0.999+100000X0.001=0.999+100=100.999

検査結果が陽性の場合、コロナウイルスに感染しているのは100人に1人